旭川地裁 平成23年(レ)第45号,同第55号 放送受信料請求控訴,附帯控訴事件

NHKが受信料の滞納している契約者に対し支払督促を行い、契約者が異議を申し立て通常訴訟に移行して争われた案件です。

この裁判では受信料について「受信料の法的性質は,放送の視聴と対価性のあるものとはいえず,放送法に基づき,公共放送を行う法人である被控訴人に徴収権が認められた特殊な負担金と解するのが相当である。」としています。

また、契約者から、解約の通知をしたから契約は終了したとの主張に対し、「受信設備の廃止についての立証がない限り,受信契約の終了を認めることはできない」とし、具体的な受信設備廃止の立証がないので解約は認められないとしています。

民法169条に基づく5年の時効が認められるか否か、(NHKは時効そのものの適用を否定)については、「本件受信料債権については,定期給付債権の支分権に当たり,民法169条が適用されると解するのが相当である。」と、5年の時効を認めています。なお、これを認めるにあたり民法168条第1項の定期金債権か否かの議論は行われず、同条に該当する・しないに拘わらず民法169条が適用されるとしています。